ベーシック・インカムについて想像してみる

先日の「朝までニコニコ生激論」のテーマだった
ベーシック・インカムについて思ったことなど。
(正しく理解しているか疑問なので、
おかしいところはツッコんでいただけると幸いです。)


まず、魅力的だなー、と思ったのが、
労働市場を効率化できるということ。


僕は継続的な経済発展には、
アメリカのように新しい企業が
次々と生まれていかなければいけないんじゃないか、
と思っているんですが
(ITでいうところのIBM→Macrosoft→GoogleFacebookみたいな)、
日本でそういったことが起こらない理由として、
起業という選択が合理的な選択にならないシステムが
強固に構築されてしまっているからではないと思っています。
【参考】
キャリア官僚が起業を決意するとき
《若手記者・スタンフォード留学記 2》 学歴とコネづくりに奔走する米国エリート学生たち(2)


ベーシック・インカムの導入によって、
その風向きが変わるのであれば、
それは社会にとって非常に有益なことだと思います。


一方で、これは問題なんじゃないかなと思ったこととして、
まず、適当な支給額ってどうやって決めるんだ、ということ。


「毎月最低限の生活を送るのに必要とされる額の現金」が
仮に月7万円だとすると、
「地方×実家暮らし」なら働かなくてもなんとか暮らせるかもしれませんが、
「東京×一人暮らし」では家賃ぐらいにしかなりません。
これはどうなんだろう、と。


また、「毎月最低限の生活を送るのに必要とされる額の現金」は、
物価の変動にも影響を受けますが、ベーシック・インカムって政府から
付与されるものなので、企業の賃金と比べて、一度上げると下げられない
下方硬直性がより強い気がします。
(問題がおこるごとにあれもこれも、と負担が
どんどん増していくのではないか、とも思ったり。)


さらに、これまで社会的に虐げられてきた
「働きたくないひと」、「働けなかったひと」が
「働かなくてもいい」と社会的に承認されるのは、
社会不安を増幅させるのではないかな、とも思います。
こういうのが加速しそうな悪寒)


実行に関しては、
イノベーションや生産性の向上を高い見込みで行える世界レベルの
人材の育成が必須なので、
シンガポール並の教育制度を
整えてからにすべきでないかな〜、
思いました。
(→「シンガポールの成長戦略について書いてみる」)


何はともあれ、新しい制度について、
これやったらどうなるんだろうって
考えてみるのって楽しいもんですね、みなさんも是非〜。



【参考資料】
ベーシック・インカムよりも怠け者同盟の社会
ベーシック・インカム論に関する私的まとめ

【追記】
Madeleine Sophieさんの「社会問題の議論でポジショントークを避ける二つの方法」の中で、

若者・学生の立場で発言する
もう一つの提案は、手前味噌なのですが、若者が発言することです。学生のうちに発言しておくことです。若者は社会に出てから30年〜40年働きます。高級クラブでドン・ペリニヨンを飲みまくる夢を持っているかも知れません。大金持ちとなった自分が多額の税金を納め、弱者に施しをするのは嫌だと考えるかも知れません。ただ一方で、失職して生きる希望を失ってしまう不安も持っているかも知れません。立場の固まっていない若者は、最も公平な立場で発言できる立場だという印象を受け取り手に与えられます。

ポジション・トークを回避する議論でポジション・トークをするのもあれなので、詳しく書きませんが、社会問題の議論には、若者が参加すべきだと思います。

とありました。こういった議論には今後とも参加していけるよう心がけていきたいと思います。